2017年12月25日月曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈大口れんこん 〉

お正月のおせち料理やお祝い事に多く用いられる縁起物の食材
「レンコン」

 レンコンはたくさん穴が空いた姿から「先(将来)の見通しがいい」と言われ、お正月や慶事に欠かせない古くから食べられてきた縁起物の食材です。
新潟県長岡市中之島地域では「大口れんこん」というブランドで栽培しており、8月〜10月頃まで収穫できる早生種の「エノモト」と、11月〜5月に出荷され、長岡野菜にも認定されている晩生種の「だるまれんこん」の2種類があります。
地元の人たちが「はすたんぼ」と呼ぶレンコン畑が広がり、時期になると大きな緑の葉や、可憐なハスの花を見ることができます。
 この地域でレンコンの栽培が始まったのは大正12年のこと。
中之島地域の大口地区は、かつては沼地で、石油や天然ガスが採掘されていたと言います。
ガスや石油が混じる土壌は、稲作に向いていませんでした。
一方で、ガス田開発の副産物として、地下水の水温が高く、窒素分が多く含まれた粘土質の土壌は、レンコン栽培には最適な環境でした。
そんな環境で作られる「大口れんこん」は、肉厚で、シャキシャキした歯ざわりが最大の特長で、皮をむくと真っ白な身が印象的です。
通常のレンコンは火を通して料理するとシブのせいで黒く変色するのですが、この「大口れんこん」は、その肉厚さゆえにあまり変色しません。
前々からこの土地が育んだ名産品ではありますが、ブランドとして知られるようになったのはここ十年ほど。
生産組合の地道なPRが実を結び、今では年間収穫量が1000トンを超える全国有数の産地となりました。