2016年6月29日水曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 うなぎ蒲焼き 〉

醤油と味りんがベースの甘辛なタレは、
うなぎという力強い食材とよく合います。

うなぎは高タンパクな食材の為、夏バテ防止食として夏場に食べられることが多い食べ物で、世界中で捕れるうなぎの約7割を日本人が食しているそうです。
日本におけるうなぎの歴史として最も古いのは約五千年前、縄文時代の貝塚からうなぎの骨が出土しています。
また、文献に初めて登場したのは万葉集です。
大伴家持が吉田連老に贈った歌があり、これは大伴家持が吉田連老の夏痩せを笑い、うなぎを食べるように薦めている歌です。
この頃からすでにうなぎが滋養強壮に効果のある魚として知られていたことがわかります。
うなぎが一般の人に食べられるようになったのは江戸元禄時代以降のことで、江戸時代後期には蒲焼きのタレに味りんが使われるとともに嗜好が大きく変化しました。
タレに味りんの甘さが加わることで蒲焼きの味、香り、照りが格段に良くなり現在の風味に一歩近づいたわけです。
こうして独自の味付けを確立しつつ、蒲焼きはうなぎ料理の代名詞となりました。
近年、国際的なうなぎの資源が減少するなか新潟県でうなぎの養殖を手掛けるのは三社。
見附市の企業では、山の湧水を使って稚魚から育て『山水うなぎ』と名づけ、新鮮で良質な商品提供を目指しています。
同市や長岡市の日本料理店などに出荷していて泥臭さがなく、脂がのっているがくどくないと評判も上々です。
うなぎの養殖は鹿児島県や愛知県などが主産地で、新潟県はまだ始まったばかりですが、新たな特産品になるといいですね。