2016年1月4日月曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 氷頭なます 〉

新潟の正月料理といえば、のっぺと並んで有名な「氷頭なます」。


日本の多くの地域では、一般的におせち料理は元旦に食べるものですが、
北海道や新潟、東北の一部では、大晦日におせちを食べ始める地域もあります。
歳迎えの儀として大晦日におせちを食べる。
日本で使っていた太陰暦では、日が沈むと日にちが変わるので、
大晦日の夜は既に新年といった考え方もあるそうです。
ちなみに当社のおせちも大晦日に受け渡しです。

 さて、新潟の正月には欠かせない料理と言えば
「氷頭(ひず)なます」が有名です。
「ふるさと季節の味」によると氷頭という言葉は、
平安時代中期の律令の施行細則「延喜式」にあります。

「延喜式」は百科便覧のようなもので全国から都に届けられる
土地の名物が記載されていますが、その中に越後の氷頭が載っています。
氷頭とは、鮭の頭のてっぺんから目の部分までのコリコリした
軟骨と厚い皮の事で、この部分を薄く切ったものを言います。
塩鮭の軟骨をごくごく薄く切って水で洗うと、最初は脂ぎっていた水が、
何度か洗っているうちに透明になってきて、
「氷頭」と平安人が名付けたのも、うなずけます。
生の鮭の場合は、塩をして生臭みを取ることが大切で、それを酢に漬け込みます。

 それでは美味しい作り方をご紹介。
まず大根をおろします。
酢に漬けておいた氷頭もさっと洗い、ゆずのみじん切りを混ぜ、
米酢、ゆずの搾り汁に砂糖、塩を入れた三杯酢であえます。
器に盛って千切りのゆずを飾ります。
大根は消化を助ける意味でも正月料理として欠かせません。