2018年8月28日火曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 魚沼・深雪なす 〉


やはり浅漬けが最高ですが、蒸したり、
いためたりしても美味しくいただけます。

新潟の夏を彩ったナスですが、初秋もその勢いはとどまることをしりません。
 「深雪なす(みゆきなす)」は、新潟県魚沼市薮神(やぶかみ)地区を中心に古くから栽培されてきた在来品種です。
新潟県では野菜特約産地や魚沼推奨ブランドに認定されているナスのひとつです。
十全茄子の優良品を代々三十年にわたり選別して確立したと言われています。
現在も地域の農家さんが栽培、出荷しており自分たちで種を採り、大切に品種を保存しています。
収穫は6月末から始まり10月頃まで行われます。
「深雪なす」のブランドで出荷している東京などの消費者からは高い評価を受けているようです。
一時期は「やぶかみなす」の名前で出荷されていましたが、現在では「深雪なす」で統一されています。
 この品種は、皮が柔らかいことが特長で、栽培している農家のみなさんは、皮が傷つかないように丁寧に収穫しています。
大きさはやや小ぶりでずんぐりした長卵型。
一般的なナスにくらべ甘味が強く、引き締まった果肉です。産地では古くから漬物に使われてきたようです。
皮は柔らかく歯切れのいいのも特長ですが、果肉がしっかりしているので煮崩れしにくく炒め物の他に煮びたしにしても美味しいそうです。
アクが少なく鮮度がいいものは生のままでも美味しく食べることが出来ます。
十全茄子系ですので、やはり浅漬けが最高です。
出典元『新潟・食品名産図鑑』HPより

2018年7月30日月曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 長岡巾着茄子 〉



 まさに巾着袋の形をした茄子で長岡野菜に指定されている「長岡巾着茄子」ですが、もともとは中島巾着茄子と呼ばれていました。
長岡野菜のブランド戦略のために長岡巾着茄子としました。
明治44年に長岡市の中島地区で栽培が始まりまり、そのルーツは南蒲原の田上町から嫁入りの際に持ち込まれたといわれています。
その巾着茄子が代々長岡中之島地区の農家で守られてきたのです。
長岡の中島地区は信濃川の沿岸で夏は蒸し暑く、水源もすぐそばにあり、茄子の原産地のインドの高温多湿の環境が再現できたことで在来種として生き残ったと考えられます。
 長岡巾着茄子の他に市場では魚沼巾着茄子が出回っていますが、これは長岡巾着茄子よりやや小ぶりになりそのルーツも違っています。
巾着型の茄子は全国的にも珍しく、長岡巾着茄子の形は扁平で縦じわが入って、まるで巾着袋のようです。
大型で(直径10センチ、250〜300gもの大きさになります)実はしっかりと丸い茄子で果肉は固めでしっかりして崩れにくい茄子です。
巾着型であればあるほど美味しいといわれており、7月中旬〜お盆明けくらいまでがベストの品質となります。
株が若いころの7月には型も大きく色つやもいいのですが、お盆くらいになると小型の巾着茄子がオススメです。
そういった特長を活かし、主に全国的にも珍しい蒸かしなすで食され、真夏にしっかり冷やして生姜醤油もしくはカラシ醤油でいただきます。
これがまた実に美味なのです。

出典元『新潟・食品名産図鑑』HPより

2018年6月28日木曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 新潟の枝豆 〉


新潟県民が愛してやまない新潟の枝豆は栽培面積、消費量が日本一。
それは、ひとえに新潟の枝豆が美味しいから。
ところが、市場に出回る出荷量ベースでは千葉県や北海道、埼玉県などに負けます。
それは、昔から自家消費が多いためです。
新潟県といえば米や日本酒のイメージが強いかもしれませんが、実は枝豆も新潟が誇る美味しい特産品のひとつです。
新潟県民は枝豆をこよなく愛し、山盛りの枝豆を頬張る姿は、夏の風物詩となっています。
それというのも、新潟県の枝豆の栽培面積はなんと日本一(農林水産省調べ・平成26年度産)であると同時に、新潟市における「さやまめ(枝豆などさやのある豆)」の購入量が日本一(総務省家計調査・平成25〜27年平均)など新潟は生産量も消費量も多い、いわば「枝豆王国」です。
「おつな姫」、「湯あがり娘」、「新潟茶豆」、「肴豆」、「一寸法師」、「秘伝」。
これらは新潟で栽培されている枝豆の品種名です。
約40種類の枝豆の品種を組み合わせて栽培することで、5月〜10月までの長期間、途切れることなく枝豆を出荷しています。
新潟の枝豆のなかでもイチオシが7月下旬から出荷が始まる「新潟茶豆」です。
新潟市西区小平方で栽培されていた枝豆が元祖とされており、昔はその土地だけで栽培されていた伝統品種です。
実の薄皮が薄茶色なことから茶豆と名付けられ茹でた時の独特の芳香とかむほどに広がる豊かなうまみが特長です。
さやは薄く、見た目は小ぶりですが、甘み、うまみとも非常に評価の高い新潟を代表するブランド枝豆です。

2018年3月1日木曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 魚沼の冬漬け〉


 雪深い魚沼の地で代々伝わり、冬のおかずとして地元の人には欠かせない漬け物『きっこうし(きっこし)漬け』。
鰊に大根、人参等を麹に漬け込んだ、冬場に動物性タンパク質と食物繊維を摂取するための保存食ですが、特長的なのは各食材の大きさです。
その昔、大根をナタで「きっこす(乱切りにする)」ことからおおぶりな形になり、その食材を漬け込むので『きっこうし漬け』になったそうです(※諸説あります)。
さすがに現在では家庭にもナタもなく、作りにくいし食べにくいということで少しは小さくはなってきていますが、それでも他の地域のこのような漬け物からすると、食材の一つ一つが大きく、主張しています。
それゆえ、用いる食材の素の美味しさが必要で、仕込み時間もそこそこかかるそうですが、長く厳しい冬場にじっくりと馴染ませて食べる漬け物として、この地に根付いたのは想像にかたくありません。
そこで代表的なレシピをご紹介。
まず食材の準備として、大根を乱切りし、塩をまぶして一日ほど漬けます。
鰊も少し大きめに切り、酢や酒等と一緒に一晩漬けておきます。
人参も大根も鰊に合せて適当なサイズに刻んでおきましょう。
さて本番。
このきっこうし漬けの肝ともいえる「ねせ糀」(ご家庭ではご飯と糀を2 対1、お湯1 カップを炊飯ジャーで2時間程保温、撹拌することで出来ますが、魚沼地方ではスーパーでも販売されているそうです)に食材を漬け込み、2〜3日程で完成。
食材を大きく切ってある分、その食感も楽しむことが出来ます。
出典元『にいがた朝ごはん』HPより

2018年1月25日木曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 魅惑の調味料 かんずり 〉


コクのある奥深い辛さと程よい柚子の香りの「かんずり」はお料理の引き立て役です。

「かんずり」は元々新潟県妙高市近辺に伝わる家庭の味で、唐辛子漬けのことをいい、生産工程における大きな特長、それは「雪さらし」と「三年熟成」。
雪積もり、広がる一面の白銀地に真っ赤な地産唐辛子が並ぶ光景は、妙高の風物詩になっています。
その後は糀(こうじ)・柚子などの香料と一緒に塩蔵・熟成。三年という年月を積み重ねて生まれるコクのある奥深い辛さと程よい柚子の香りは、食べる人の食欲をかきたてます。
味、品質共に完成された「かんずり」に使われる唐辛子は妙高市の新井産。
契約農家で種から育てられた唐辛子数種類をブレンドし、かんずり用の唐辛子に。
それを雪にさらしてアク、苦みを抜くことで自然と甘みが増し、味にコクと深みが加わります。
このこだわりの製法「雪さらし」は、ある偶然の出来事がきっかけだったといいます。
商品製造のために軒下に吊るされていた唐辛子。ある日風に吹かれたのか、気付けば雪の上に落ちてしまっていた。
数日後に先代社長が発見、何気に食してみたところ、その唐辛子は確かな甘みを感じ、明らかに違う食味を発見。
そこから「雪さらし」が始まったという。偶然の賜物ですが、自然の恵みなくしては生まれなかった製法。
今では科学的にもその成分変化も立証され、シーズンになれば毎年新聞紙面を飾る冬の風物詩になっています。
積雪の多い妙高地域、そこに舞い降りる絶妙な味わいを持つ地産の特性唐辛子。
自然の恵みをたっぷりと享受することで生まれた魅惑の調味料、それが「かんずり」です。
出典元『新潟直送計画』HPより

2017年12月25日月曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈大口れんこん 〉

お正月のおせち料理やお祝い事に多く用いられる縁起物の食材
「レンコン」

 レンコンはたくさん穴が空いた姿から「先(将来)の見通しがいい」と言われ、お正月や慶事に欠かせない古くから食べられてきた縁起物の食材です。
新潟県長岡市中之島地域では「大口れんこん」というブランドで栽培しており、8月〜10月頃まで収穫できる早生種の「エノモト」と、11月〜5月に出荷され、長岡野菜にも認定されている晩生種の「だるまれんこん」の2種類があります。
地元の人たちが「はすたんぼ」と呼ぶレンコン畑が広がり、時期になると大きな緑の葉や、可憐なハスの花を見ることができます。
 この地域でレンコンの栽培が始まったのは大正12年のこと。
中之島地域の大口地区は、かつては沼地で、石油や天然ガスが採掘されていたと言います。
ガスや石油が混じる土壌は、稲作に向いていませんでした。
一方で、ガス田開発の副産物として、地下水の水温が高く、窒素分が多く含まれた粘土質の土壌は、レンコン栽培には最適な環境でした。
そんな環境で作られる「大口れんこん」は、肉厚で、シャキシャキした歯ざわりが最大の特長で、皮をむくと真っ白な身が印象的です。
通常のレンコンは火を通して料理するとシブのせいで黒く変色するのですが、この「大口れんこん」は、その肉厚さゆえにあまり変色しません。
前々からこの土地が育んだ名産品ではありますが、ブランドとして知られるようになったのはここ十年ほど。
生産組合の地道なPRが実を結び、今では年間収穫量が1000トンを超える全国有数の産地となりました。 

2017年10月24日火曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 ほっこり里芋 〉

ヌメリのある食感ときめ細やかな白い肉質が特長です。

里芋は、インドや東南アジア地域が原産地とされています。
日本には稲より早く、縄文時代に渡ってきたとの説があります。自生した山の芋ではなく、里で栽培されたことから、里芋と名付けられたようです。
里芋は親芋の周囲に子芋、さらに孫芋と次々に芋がついていくため、子孫繁栄の縁起物として、お正月やお祝い用の料理に使われてきました。
新潟の里芋は郷土料理のっぺには欠かせない食材でおなじみの冬野菜で、なんといっても独特なヌメリが特長で煮込んでも煮崩れせず、白くきめ細やかな肉質が評判です。
信濃川、阿賀野川の肥沃な水はけのよい地域を中心に生産されていて、最近は、水田転換畑を中心に生産拡大されています。
主な産地として、ブランド里芋「帛乙女」で有名な五泉市が出荷量の5割近くを占めます。
「帛乙女」は丸芋系品種で、およそ20年余りにおよぶ品種改良を重ねてきました。
「帛乙女」のブランドは五泉市は古くから絹織物の産地でその特産にあやかって命名されました。
まさに、その絹のごとき色白さときめ細かさで、ヌメリも強いのが特長です。
長岡市では主に土垂れ(どたれ)や大和早生などの品種が栽培されています。
主役の里芋は土垂れというまが玉のような格好をした里芋ですが、今は、丸い形の大和早生が中心です。
しかしヌメリの強さ、食味においてのっぺには土垂れを使いたいものです。
新潟県産の出回り状況としては、貯蔵性もあり、通年にわたって出荷されていますが、9月下旬から11月にかけて、出荷のピークを迎えます。